命と性の日記〜日々是命、日々是性

水谷潔が書き綴るいのちと性を中心テーマとした論説・コントなどなど。
 目指すはキリスト教界の渋谷陽一+デイブ・スペクター。サブカルチャーの視点から社会事象等を論じます。
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牧師と信徒、これが見本かも?(2)
 最新号の「牧会ジャーナル」では、「牧師と信徒が共に育つこと」について辛らつな原稿をご掲載いただきました。週報に概要を掲載された牧師、「自分のことのようでドキッとした」とおっしゃる牧師などの声をお聞きしております。当事者感があるのは正常で健全な証拠だと思います。むしろ、自分とは無関係と受け取る方が健全でないのかもしれません。

 前回ご紹介した教会の美点は、牧師と信徒の関係が「共育」関係なのです。特別な教会政治や交わりの形態をもってはいません。福音派にはよくあるタイプの教会。牧師も信徒とも「共に成長してきた」という意識を明確にもっておられる様子。

 外国人宣教師の開拓を受け継いでの就任、数少ないメンバーは当然未熟さを免れません。同時に新卒で就任した牧師も、当初は信徒にかなりの忍耐を必要とするような状態だったそうです。

 しかし、この牧師は実に謙遜に学ばれる方なのです。異なる信仰理解の団体からも、謙遜に学びつつ、自らの信仰理解を守った上でよいものを吸収されます。時にある視野の狭さなどから良いものを良いと評価できないことも多くなりがちな牧師たち。しかし、この牧師は、自分の信仰理解や好き嫌いを超えて良いものを評価できる方。

 また、学んだものを自分だけで留めないのです。牧師だけが学び、成長し、信徒に伝えず、学んだことを行かせないことも多いのでは?信徒に熱意をもって分かる言葉で伝えて、その結果として共有できたようです。牧師が専門職としての特権意識を持ちません。あくまでキリストの体の一部なのです。その上で、ヴィジョンを共有していくのです。
 さらに、そこに牧師の自己実現や肉がなく、神と信徒と滅び行く魂への愛が先行するので、信徒は喜んで共有し進んできたようにお見受けしました。

 牧師があまり優秀ですと、信徒がよく理解もせず、ついて行ってしまいます。これは双方にとって楽ですが、危険です。信徒が思考停止状態になる可能性があるからです。深い理解や納得に基づかないヴィジョンの共有は、多くの場合崩壊します。牧師に無思慮に従う信徒だけでの実現となり、思慮ある信徒は共有できずに教会を去ることも。あるいは牧師個人のヴィジョンが教会の私物化と同時進行で実現してしまうという悲劇に陥るでしょう。

 そもそも、深い理解や納得に基づかないヴィジョンの共有は、牧師に躓いたり、試練が起こったり、自分に不都合があれば、「一抜けた」をしやすいもの。

 根気よく忍耐をもってのヴィジョンの伝達と説明。さらにこれまた根気と忍耐を伴う全体への共有の呼びかけ。何より大切なのは、それが牧師の自己実現欲や名誉欲から出ていないことかと私は思います。

 時間はかかりますが、これが磐石の土台となり、一致が。これを時間をかけて着実に成し遂げてきたであろうこの教会。脱帽です。

 私なりにまとめるとこうなるでしょうか?

(1)自らの未熟さ力不足の自覚→
(2)健全な不満足感→
(3)謙虚に学ぶ姿勢と良いものを評価できる力→
(4)学んだものを信徒と共有する願い(特権意識の放棄)→
(5)平易な言葉で忍耐強く信徒に伝達→
(6)教会全体へのヴィジョン共有の呼びかけ→
(7)ヴィジョンの共有による一致と方向性→
(8)一致したヴィジョンと明確な方向性を持って教会全体が歩む

 もちろん、簡単にできることではありませんし、自分個人の努力でどうにかならない場合も多いでしょう。また、「理想論」と切り捨てたり、「夢のまた夢」とためいきをつきたくなる現状もきっとあることでしょう。でも、これが健全で、牧師も信徒も健全に成長し、安全なあり方の一つではないでしょうか?そうしたモデルの一つとして参考になるだけで感謝です。
| ヤンキー牧師 | 権威・リーダーシップ、牧師と信徒 | 09:17 | - | - | - | - |
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