命と性の日記〜日々是命、日々是性

水谷潔が書き綴るいのちと性を中心テーマとした論説・コントなどなど。
 目指すはキリスト教界の渋谷陽一+デイブ・スペクター。サブカルチャーの視点から社会事象等を論じます。
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他者の「災害」を「天罰」と断言する程の「偉い人」には、ルカ13章を読んで欲しい!
 キリスト教界内外の「偉い人」が、今回の災害を「天罰」と断言しているとか。まずは、何期も当選を続ける偉い知事さんが、「津波は、日本社会が我欲を洗い流すための天罰」との見解を示し、未だに撤回も、謝罪もなさらないようです。

 ネット上では「毎日」の記事が分かりやすいかな?
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110315k0000m040043000c.html

 これに追い討ちをかけるように韓国の偉い牧師が、「大地震は神の警告、日本が偶像礼拝から神に立ち返るチャンス」という趣旨の発言をされたのだとか。
http://news.livedoor.com/article/detail/5413255/

 信徒数70万人という世界一の大規模教会のこの牧師、信仰理解や教会形成、そして日本での宣教については多様な評価はあるでしょう。しかし、キリストに出会い、かつては憎んでいた日本を愛し、莫大な犠牲を払い「一千万救霊」のために労したその点においては、本当に「偉い人」だと、個人的には思っていただけに残念な気もします。どうも、韓国では大変な非難を浴びており、日本のクリスチャンも失望を覚えておられる様子。この発言が、前後の文脈を切り離されて一人歩きしたために誤解されたものであればいいのですが・・・。

 そこで、他者が被った「災害」を「天罰」と断言されるこうした「偉い人」にお読みいただきたいのが、ルカの13章1−9節であります。人災であれ、天災であれ、それを神との関係において考察する時、「天罰」「神からの警告」などと、勝手に解釈しかねないのが、愚かな罪人である私たちであります。また、聖書的価値転換できていないクリスチャンや愛に欠ける宗教者は、因果応報発想で、こうした災害を解釈したがるわけです。

 しかし、イエス様は二つの災害についての正しい解釈をされます。ピラトによるガリラヤ人流血事件という「人災」、シロアムの塔倒壊18人死亡事件はどちらかと言えば「天災」でしょうか?どちらの災害についてもイエス様は「被災者が他者より罪深いと思うのか?」と私たちが抱きがちな因果応報思想をチェックします。

 そして、イエス様の正しい解釈は、明確。5節にあるように、「あなたがたも悔改めないなら、みな同じように滅びます」なのです。ガリラヤ人流血事件報告者に、そして、今日聖書を読む私たちに、災害についての正しい解釈を示しています。

 その上でイエス様は6−9節で、たとえ話をされます。これは一発逆転ホームラン的機能を持ちます。ぶどう園のオーナーが番人に三年経っても実らないので、イチジクの木を切り倒すように要請。それに対して、番人は、「木の回りを掘って肥やしをやってみるから、もう一年の猶予を」と懇願するわけです。

 そう、私たちは誰もが番人であるイエス様の弁護がなければ、今日にでも、津波、地震、建築物倒壊、権力者による流血事件などで、いのちを奪われても文句の言えない存在なのです。クリスチャンたるもの、番人の弁護や忍耐してくださるオーナーの存在を忘れて、被災しないことを、あたかも自分の功績であるかのように「どや顔」したり、他者の被災を「上から目線」で論じてはならないでしょう。

 このたとえ話は、読む者に「被災者」と「評論家」の役割交換を迫ります。それはちょうど、「現実の地震と津波と原発事故で苦しむ被災者」と「それをテレビで視聴して因果応報発想で解釈する評論家」の立場を逆転させるたとえ話でありましょう。イエス様のたとえ話は、まさに「被災者と評論家」の役割交換をさせるもの。「災害現場とテレビの前」の居場所交換を想像させるもの。「不条理な現実の体験と脳内の堕落した因果応報思想」を入れ替えるものでありましょう。

 一千万都市の首長一千万救霊にご尽力された牧師だけでなく、私たちお互いも、災害に何らかの解釈を施したい誘惑に駆られた時は、ルカの13章1−9節を読みべきだろうと思うのです。そして、番人の弁護により被災者とならなかっただけの自らを覚えて御言葉を受け止めるべきでしょう。

 この聖書箇所は、「神との関係における災害の解釈」を私たちに教えてくれているように思います。いちじく畑の番人を忘れがちなクリスチャンにも、「おまえのことだぞ」と当事者感をもって突きつけます。そう、被災者とならなかった全ての日本に暮すクリスチャン、いいえ、ノンクリスチャンの方々も、今、読むべき聖書箇所の一つはルカの13章1−9節でありましょう。

〈追記〉掲載後、特定の牧師についての批判目的と理解されるとの指摘を受けました。発言としては問題視されるべきでしょうが、同時に、私たちの災害についての聖書的理解が目的であることが明確になるように書き直しました。
 
| ヤンキー牧師 | キリスト教界(論説読みきり) | 16:31 | - | - | - | - |
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