命と性の日記〜日々是命、日々是性

水谷潔が書き綴るいのちと性を中心テーマとした論説・コントなどなど。
 目指すはキリスト教界の渋谷陽一+デイブ・スペクター。サブカルチャーの視点から社会事象等を論じます。
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ここにも差別?スポーツ編(4)
 昔サイモン&ガーファンクルの「ボクサー」を聴きながら、曲解説を読みました。「アメリカ社会にあって黒人が成功する道は音楽とスポーツしかない」という前提でこの歌は歌われているのだと知りました。そして、日本は平等だからいいよなーとおめでたい誤解を続けていました。
 
40歳を過ぎてようやく日本にも同様の現実があることを知ったのです。ここまで現実社会を知らずによく牧師がつとまったものだと自らに呆れます。日本社会においても、在日や被差別部落出身者が成功できるのは音楽とスポーツ、あとは裏社会、闇社会と呼ばれるような分野。差別によって、最初からスタートラインが違うわけで、そもそも平等な競争自体が成り立ちません。いいえ、たとえ努力して競争に勝っていても評価されません。その点、芸能やスポーツは目に見えて評価されやすいということでしょうか?

 一人のスポーツヒーローがいました。私もしびれるほど彼が大好きでした。その彼が犯罪に手を染め、刑に服することに。この大スキャンダルにマスコミは大騒ぎ。やがて、刑期を終えて、しばらくすると週刊誌の評論やラジオ、テレビなどに登場。その犯罪行為に比してあまりに早いマスコミ界への復帰に当時の私は怒っていました。「横山やすしに対して以上に甘いぞ!!」と納得の行かない私でした。
 
 昨年、図書館で一冊の本を読みました。(「噂の真相」や「別冊宝島」ではありません)彼の名前は匿名としながらもその真相が書かれていました。そして私は知ったのです。犯罪に手を染めた経緯、そして常識はずれの速やかな復帰、その背後には部落差別問題があったことを。

 彼の父親は被差別部落出身者。彼とは幼い日に離別。彼がスポーツヒーローとして活躍の中で事件が起こります。父の愛人がそのことをネタに恐喝まがいの行動に出るのです。マスコミに彼の父親が被差別部落出身であることを伝える、観客席で被差別部落を想起させる踊りを踊る、自宅の周囲を仲間たちと包囲して威嚇するなど。彼はそうした恐喝まがいの行為を受けるたびに、お金で解決をし続けていったようです。

 現役引退の後、彼の家庭は崩壊、すさんだ生活の中で犯罪に手を染めてしまったのです。ある記者は彼にそうした背景を明らかにすることをすすめたそうですが、どうしても彼は出自を明らかにしたがらなかったとか。事件の背後には差別的で不当な行為があったのですが、彼は裁判の中でも一切そのことを証言せずに刑に服しました。

 刑期を終えた後は異例の速さでマスコミに復帰。その背後には真相を知るマスコミ、スポーツ、芸能界の暖かな支援があったに違いありません。復帰後の彼の充実した仕事ぶりはそうした方々への恩返しであるように私には思えます。かつては彼のことを憤慨していた私ですが、真相を知った今は、彼の大ファンに復帰、心から応援をしている一人です。

 平等と言われ、格差社会化していると言われる日本社会。そもそも生まれながらにしてスタートラインが大きく違う社会なのです。

| ヤンキー牧師 | 「ここにも差別?」シリーズ | 08:27 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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