命と性の日記〜日々是命、日々是性

水谷潔が書き綴るいのちと性を中心テーマとした論説・コントなどなど。
 目指すはキリスト教界の渋谷陽一+デイブ・スペクター。サブカルチャーの視点から社会事象等を論じます。
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ポップミュージックが描く性の世界(13)
 羞恥心の「羞恥心」
知性なき愛こそ、純愛?〜愛と知性の強制分離


 今回取り上げるのは「羞恥心」なる男性トリオが歌う「羞恥心」。ポップミュージックの世界は、音楽産業としての側面が強すぎる世界。ですから音楽表現としての優劣と売れる売れないが、ほとんど別になってしまうことも。

 近年まれに見る音楽表現の乏しさと商業的大成功を両立したのがこの「羞恥心」なる楽曲。音楽的には完全に少年隊などのパロディー。特にAメロの三連符フレーズは見事ですが、仮面舞踏会のパクリそのもの。その他もすべて、男性アイドルグループのおいしいところを集めて固めたような曲作り。単調にならぬようおしいしいフレーズを有機的に組み合わせ一つの曲として成立させているという意味では抜群の作業をしています。高原兄、恐るべし。

 辛口批評をすれば、人気番組とタイアップして、紳助さんの後押しで、人気キャラが歌えば、音楽表現とはほぼ無関係で売れてしまうという「音楽という名前のヒット商品」。

 作詞は島田紳助さんだそうですが、クイズ番組で人気の三名のキャラそのもの歌詞。いわゆる「おバカ」キャラ丸出しで、知識はなくても、生き方ベタでも、プライドを平気で捨てれば、道が開けると信じ、一途に愛するというもの。名づけて「おバカ流、純愛ソング」。

 プライドを捨て恥を恥とも思わず、ひたすらに一人の女性を愛する姿勢はご立派。打算や損得勘定がないという意味では、「おバカ」は「純愛」に通ずるのかもしれません。でも、「知性なき愛こそ、純愛」というのは行き過ぎでしょう。

 この曲の結論は多分「人生、夢で生きてる」という歌詞に集約されているのでしょう。いかに純粋で夢にあふれていても、中高生ではなく、大人なのだから、そこには一定の「責任」もあるはず。夢だけで生涯貫徹できるほど愛の世界は甘くないのでは?学歴や知識は乏しくても大丈夫でしょうが、ただの「純粋一途なおバカ」では、愛する女性を幸福にすることも、幸せな恋愛をすることも難しいのでは?

 愛とは相手を観察し、理解し、相手の最善を考え、願い、実現していくこと。そこには一定の知的な能力が要求され、知的な作業も必要です。決して「気持ち一発」ではないはず。

 聖書は「知性を尽くして愛しなさい」と愛を命じています。一途に愛すること、全身全霊で誰かを愛することは、当然、知性を用いて愛することを含んでいるはず。

 私が思うに「羞恥心」なる男性三名、いずれも低学歴・高学力。低知識で高生活力だと推察しています。本当の意味で「おバカ」なら、バラエティー番組であれだけ製作側の意図通りの回答やリアクションはできないでしょうから。クイズの珍回答は天然で本物でも、彼らは決して本物の「おバカ」ではなさそうです。おバカも演出、芸のうちなのでしょう。

 ですから、賢明なリスナーや視聴者の皆さんが、本気で「おバカのままで、一途に女性を愛するのが純愛」「知性なき愛こそ純愛!」などと信じてしまわぬようにと願うばかり。むしろ、恋愛における知性の大切さをこの記事から知っていただけたら感謝。

 相手の必要は何か?何が最善か?どうすればそれができるか?いかに実現するか?それを考える「知的な愛」の側面。大切な人を愛するためにも、知性を磨き活用するお互いでありたいですね。この曲の大ヒットの中で、「愛における知性の復権」を叫びたい私です。
| ヤンキー牧師 | ポップと演歌が描く恋愛と性 | 08:30 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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