命と性の日記〜日々是命、日々是性

水谷潔が書き綴るいのちと性を中心テーマとした論説・コントなどなど。
 目指すはキリスト教界の渋谷陽一+デイブ・スペクター。サブカルチャーの視点から社会事象等を論じます。
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(被差別部落の)歴史と戦う結婚
 「夫が尊敬できない!」シリーズを始めたばかりですが、続きの記事を延期しても知らさねばならない雑誌記事を見つけました。久しぶりの人権ネタです。

 それは現在発売中のAERA11月3日号の「歴史と戦う結婚」。これは歴史的な扉を開く結婚であり記事だと思い、お知らせします。40代のフジテレビ女性プロデューサーの結婚がそこには書かれています。彼女の結婚相手は被差別部落出身の男性。ここまでなら、これまでもありそうな話。

 今回の記事がまさに歴史と戦う結婚であることは、結婚相手の男性が有名人でしかも被差別部落出身者であることを自ら公けにしていることです。その男性とは「反省猿」などの猿まわし芸で一世風靡した太郎こと、村崎太郎さん

 結婚当時、太郎が将来重要無形文化財や人間国宝となり、妻美和子が作家として名をなした時に、初めて明かそう、それまで二人で黙って頑張ろうと約束をしていたとか。しかし、結婚一年を経たこの時、私小説を通して、周囲の反対を押し切り、二人の結婚の背景を明らかにしました。タイトルは「太郎が恋をする頃までには・・・」、今朝の朝日新聞にはかなり大きな広告が掲載されています。

 ヨーロッパの被差別の民ロマ(以前はジプシーが呼称でした)が芸能の民であったように、日本でも被差別部落の民は、能・歌舞伎などの芸能を継承発展させてきました。猿まわしも、被差別部落の人々が継承し職業としてきたものの一つ。AERAの記事には現在47歳の彼が子どもの頃から受けてきた不合理な差別の数々や考えられない貧困なども記されています。「この時代にこんなこと?」と思うような内容です。

 日本では著名な政治家、芸能人、スポーツ選手が自ら被差別部落出身であることを明かす事はまずありえません。それほど差別は根強く日本の社会に潜んでいるからです。この勇気あるご夫妻もこれから応援や励ましの声と共に、心無い言葉や陰湿な誹謗中傷に苦しめられることでしょう。それを覚悟の戦いだからこそ、先駆的な意味があるのです。社会に対しての優れたメッセージがあるのです。

これは、日本部落史に残るような出来事なのかもしれません。そして、この記事は今後、評価を受けるか、マスコミからタブー視され黙殺されるか、それも見守るべきことでしょう。

 人権やいのちの大切さに関心や重荷のある方、またブラックゴスペルに関わる方々には特にお読みいただきたい記事です。
| ヤンキー牧師 | 「村崎太郎」関連 | 07:16 | comments(8) | trackbacks(0) | - | - |
貴重な資料のご紹介、本当に心からの感謝です。
| ヤンキー牧師 | 2008/11/27 10:52 AM |
 浦上キリシタンと被差別部落の関係に関しては、『部落差別とカトリック―差別からの解放をめざして』(女子パウロ会刊 日本カトリック部落問題委員会)の「第5章 キリシタンと部落問題」に出ています。

 幕府のやり方として、幕府が圧迫しているキリシタンと被差別部落の人達を対立させることにおいて、両者の目を幕府から他に移してしまうように仕組まれていました。そのために、わざわざ、被差別部落の民にキリシタン捕縛を行わせたわけです。
| マックス | 2008/11/25 9:57 AM |
 本ブログの読者やコメントをした方も、明治以降も続く差別を理解していますので、ご安心下さい。麻生総理の件も、私は事実だろうと思っていますが、そうでないとする見解もあるようです。(この件は、以前の記事とコメントで扱いました)

 たびたび貴重で充実したコメントを感謝しています。同時に、失礼ですが、今後は個人的な事柄はご遠慮いただき、純粋な記事への応答として、コメントをいただければと願います。
| ヤンキー牧師 | 2008/11/02 8:02 PM |
  しばらく前に,エルサレムでブルドーザーで数人をひき殺し(イスラエル軍は,定期的にブルドーザーでパレスチナ人をまとめて効率よく殺しているので,「人間の盾」としてブルドーザーにたちふさがったアメリカ人学生がひき殺されたことがあります),ブルドーザー殺人の後,「テロリスト」として射殺されたパレスチナ人イスラム教徒がいました。
  彼は,ユダヤ教徒の女性と結婚するつもりで相手の家族に申し入れたところ,断られ,あげくに,その娘さんがユダヤ教徒の家族によって「不名誉」として殺されてしまったため,自暴自棄になっての犯行だった,とのことです。
  
  被差別部落の起源ははっきりしないそうですが,子供の頃読んだ「カムイ伝」は印象に残っています。
  
  被差別部落に限らず,身分制度は,明治時代に廃止されましたが,結局,それは,題目だけで,実際は,差別が残り続けました。
  ですから,キリシタンだけが迫害されたわけではありません。被差別部落出身の皆が,迫害,差別されたのです。どうか,忘れないでください。事実をねじ曲げないでください。そこまでやったら,クリスチャン全体の信用にかかわります。

  ただし,被差別部落の人間を,キリシタンの監視役にした,という話は,柴田鎌三郎の小説にも出てきました。そういうことは,あったかもしれません。

  問題は,人の中にある,「あっちは外,こっちは仲間」という見えない壁を作る心ではないでしょうか。

  私は,「小さな命をまもる会」ができた当初から,会員をしていましたし,その前からクリスチャンでした。今も,イエスの教えを信じる思いに変わりはありません。ですが,5年前にイスラム教徒と結婚して,ムスリムの名簿に加えられた,ということで,私のことを,「外の人」と解釈し,その瞬間,壁を作るクリスチャンの方が,多いと思います。

  昔からの友人でクリスチャンになった人(たいていのクリスチャンの友人は,私についてクリスチャンの集会に出てからクリスチャンになりました)や,昔からの私を知っている牧師さんなどからは,そのような差別的な扱いを受けたことはありませんが,ネットの上では,クリスチャンの方から,ずいぶん差別されていると感じます。

  「クリスチャン」ということになっている,麻生太郎首相は,かつて,被差別部落出身の野中広務氏を,「被差別部落出身の人間なんか,総理大臣にするわけにはいかない。」とあざけったため,問題になったことがありますよ。

  差別意識というのは,自分でも気づかないものなのでしょう。 
| | 2008/11/02 6:25 PM |
 さっそくのコメント、有意義な資料のご紹介、ありがとうございます!
| ヤンキー牧師 | 2008/10/31 11:35 AM |
徳川幕府は非差別部落の人をキリシタンの見張りに用いたように私は聞いています。そして明治時代になって形の上では被差別部落の人が解放されある程度の補償がされたようですがキリシタンの人々の苦難には想像を絶するものがあるようです。
http://www1.odn.ne.jp/uracathe/henkakusi.htm
| 山本 | 2008/10/30 7:35 PM |
 同じような話を聞いた事はあります。クリスチャンであろうがなかろうが、心痛も私です。インドではクリスチャンはアウトカーストですから、そうした可能性は大いにあるでしょう。この件に詳しい方のコメントを募集します。
| ヤンキー牧師 | 2008/10/29 11:35 PM |
被差別部落の人々は、激しい迫害を受けたキリシタンの末裔も含まれているはず、という意見も聞きました。
歴史的に実証的に調べる余裕は私にありませんが、ありうる話のように感じます。そうだとしたら、さらに心痛む問題です。
| たろう | 2008/10/29 1:11 PM |









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